外貨建mmfの可能性が広がる
IMFの定義では、日本の国家運営の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のように、オイルマネーや外貨準備金を資金源としない年金基金は除外されている。
ノルウェー政府年金基金のようにオイルマネーを原資とする年金基金は、一般にSWFと定義が多い。
ただし、SWFの統一定義はなく、一般には政府が創設・運営する投資ファンドであって、グローバルに株式などのリスクマネーを運用しているものを指す。
また、石油などの輸出収入による財政余剰金もしくは、外貨準備金を資金源とするファンドをSWFとして分類することSWFには狭義のものと広義のものがある。
狭義のSWFは、以下を満たすものとする。
されたい。
ソブリンとは、国家を意味するものである。
従って、国家運営のオイルマネーを運用する基金のみが狭義のSWFである。
中東の王族の個人資金や国営の石油企業の資金は国家の資金ではないため、SWFではない。
近年、中東のオイルマネーが国営企業を通じて海外に流れており、出資やM&Aを行うようになっている。
47年に、UAEの国営企業ドバイ・ポート・ワールドが英国の港湾会社P&Oを買収した。
03年には、サウジ・ベーシック・インダストリーズがGEのプラスチック事業を買収している。
中東に関しては、国家、王族、企業を完全に分離して議論することが難しい。
例えば、UAEの国営企業ドバイ・ワールド(持株会社)は、傘下に投資会社のみならず不動産、運輸、金融、薬品、エレクトロニクスなどの事業会社を持つ。
中東では一般に、王族が個人の資金の、国家、企業の資金をコントロールしているため、これらは概ね一体であると考えるのが例外として、広義のSWFにはアラスカ永久基金など、地方政府のファンドも加えるものとる。
米国政府の年金基金は除く。
同様に、地方政府の運営する年金基金等は国家でないため含まない。
オイルマネーは中東、ロシア、外貨準備はアジアに偏在する。
その結果として、SWFは発展途上国に偏在している。
そのため、これらの投資に関しては、一般の株式投資やM現在、資産規模で最大のSWFは、1兆ドル弱(約100兆円)の資産を持つといわれるアブダビ投資庁(ADIA)である。
続いて、ノルウェー政府年金基金、クウェート投資庁、シンガポール(テマセク、GIC合計)が、3000億ドル前後(17兆円強)で続くとみられる。
何らかの理由で政府の資金が余剰であるため、有効活用しようというのがSWF設立の趣旨である。
特に、オイルマネー、外貨準備を原資とするSWFが急成長している。
こうしたSWFは、世界の富の不均衡が生み出したものである。
その不均衡の主な原因は、将来的には、ロシア、中国のSWFが急成長すると思われる。
中国のSWFは約2000億ドル(別兆円)、ロシアは約1900億ドル(17兆円)の資産を保有している。
後述の理由から、これらは急成長すると思われる。
また、投資手法、投資対象についても、大きく変化するものと思われる。
これまでSWFの主役は、中東とシンガポールであったが、今後はロシア、中国が主役の仲間入りをするものとみられる。
潜在的に大きいのは、日本のSWFである。
現在、外貨準備高が約100兆円、国家の公的年金は約140兆円の残高がある。
つまり、運用すべき資産が既に約240兆円も積み上がっているのである。
既に、公的年金は政府が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて証券投資によって運用しており、広義のSWFとなっている。
今後は、年金運用のあり方と外貨準備の運用が注目きれよう。
国際商品市況が急騰した。
03年末から04年末まで、WTI原油先物価格は4.8倍となった。
原油、天然ガスなどエネルギー価格の上昇により、エネルギー産出国は膨大な富を得てきた。
中東、ロシア、ノルウェーといった資源輸出国の経常黒字は、商品市況と歩みを03年のOPECメンバー国の石油輸出収入は7311億ドルと、他年の3倍の水準である。
こうした石油輸出収入の一部が、SWFの運用資産に投入される。
巨大化したオイルマネーが、SWFの資産増加に寄与している。
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの推計によると、オイルマネーの外貨建金融資産は4.6兆ドルである。
そのうちの約4割をSWFが運用しており、残りは、中央銀行、王族、国営企業、富裕層等で運用されているという。
米国が毎年巨額の経常赤字を生み出しながら、富を世界に分散している。
一方で、日本や中国などは巨額の経常黒字を生んでいる。
その結果、基軸通貨であるドルを持つ米国が外貨を供給する形となり、世界の外貨準備高は膨張してきた。
03年9月末の世界の外貨準備高は、6.同じくして急増した。
つまり、エネルギー産出国が広く薄く世界から富を集めているのである。
方で、エネルギー産出国は中東、ロシア、米国などに偏在している。
こうして、富の偏在を中東に偏在するオイルマネーとは異なり、外貨準備高はアジアに偏在しているのが特徴である。
一方、ロシアは、オイルマネー、外貨準備高双方で、上位にランクされる。
今後、SWFの成長という点では大いに注目される。
帆年末の中国の外貨準備高は1.9兆ドル(約190兆円)であり、5年間で6倍となった。
現在は、日本の1.0兆ドル(03年末、約100兆円)を抜いて世界1位の外貨準備高である。
人民元の安定化のためにドル買いを行っているが、中国の外貨準備高急増の主要因である。
アジア諸国は、外貨準備の増加分を主としてSWFの運用に利用している。
国別の経常黒字額では、これまで永らく1位であった日本を中国が追い越した。
石油輸出国の中央銀行は、主に通貨安定化のために外貨準備金を保有している。
サウジ通貨庁のように、各種ファンドを通じて、積極的にグローバル投資を行う場合もある。
サウジ通貨庁の運用資産は2500億ドル超であり、SWFの範晴に含められる場合もある。
こうして余剰な資金が、中東などの資源国や工業品生産の競争力の高いアジア諸国に偏在している。
先進国であれば民間企業が資産運用を行うし、かつ国内に投資対象が多く存在する。
よって、SWFが大きく成長する余地はあまり大きくない。
これらの多くは発展途上国であるため、十分な金融市場が整備されておらず、かつ有力な民間金融機関が育っていない。
また、国内の投資対象も限定的である場合が多い。
こう米国の経常赤字とエネルギー価格の高止まりが続けば、富の世界的な不均衡は拡大しよう。
その結果、今後もSWFが急成長を続ける可能性が高い。
もちろん、富の偏在が世界経済において極端な歪みを生めば、こうした傾向は続かないのだが、今のところ極端な歪みは生じていない。
その理由は以下の通りである。
経常赤字を生み出している米国のドルが、世界の基軸通貨である。
米国への資金流入額が圧倒的に大きい。
オイルマネーや外貨準備は、SWFなどを通じて米国に還流している。
世界最大のエネルギー消費国、輸入国は米国である。
同時に、海外からの投資に対して市場をオープンにしようと努めており、米国は世界最大の資金流入国でもある。
単純化して言えば、米国が中東から原油を買い、蓄積されてSWFの資産となる。
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